本当に大切にできるものを買うための3つのアイデア

どうしてこんなもの買っちゃったんだろう?
買ったのに全然使ってないや
限定だから焦って買ったけど、正直使いづらいんだよね

私自身、これまで本当にたくさんのものを購入し、そして捨ててきました。洋服も、雑貨も、家具も、食べ物も、日用品も。
たいして気に入ってもないのに買ったもの、使わなかったら捨てればいいやと大量買いしたもの、友人の付き合いで買ったもの etc
最後まで使いきる責任も持たずに、ただ欲しいがままに買い、たくさんのものを無駄に消費してきました。それは、その “もの” に対して大変失礼で、とても申し訳のない購買行動でした。

もうこんな不本意な買い物をするのはイヤだな、と感じるなかで見つけていった、本当に大切にできるものだけを買うための3つのアイデアをご紹介します。ご参考になれば嬉しいです。

IDEA 01:それを買うのは人生で最後かもしれないけれど、後悔しない?

いきなり縁起でもない想像ですが、私は人生の最後(最期)を考えながらものを選ぶようにしています。
アラフィフという年齢ゆえな部分もあるかもしれませんが、実際今後買うものは、死ぬまで使い続けてしまう可能性が非常に高いんですよね。

今自分が持っているものの中にも、10年、20年と使い続けているものがあると思います。
試しにそうしたものをリストアップしてみることをオススメします。

例えば私の場合、キッチンを眺めただけでも、20年以上使っているものが
包丁・グラス・マグカップ・大皿・砂糖や塩のキャニスター・ヤカン・圧力鍋・・・と次々と出てきます。
購入した当時は、もちろんこんなに長い間使うなんて想像もしていなかったと思いますが、実際には20年以上経った今でも現役、それどころか、あと数十年、それこそ死ぬまで使い続ける自信があります。使い続けることで買った時以上の愛着が生まれ、自分の中での価値もどんどん高まっています。

先日、表参道のイッタラ旗艦店をデザインされた隈研吾さんのインタビューを読んでいたら、アアルトのグラスを、なんと!40年以上も愛用されているとおしゃっていました。
https://casabrutus.com/design/176004

AALTO
我が家のアアルトも、割れたら買い足しつつ、20年以上が経ちました

しかし、長年使っているものの中には、実は、適当にみつくろったものや、100円ショップで ”とりあえず” で買ったものも含まれています。
たとえば、昔々20代の頃に100円ショップで購入した醤油皿。
気に入って長年使っているのなら100円だろうが全く関係ないのですが、この醤油皿は友人が遊びに来た時に取り急ぎでそろえたもの。
いつかちゃんとしたものが欲しいと思いながらも、割れないし緊急性もないしで不本意ながら使い続けているものなんです。
だから今でも、この醤油皿を見る度に、心がザラっとしてしまう。

こう考えると、ものの寿命は思った以上に長いことを実感します。
断捨離だー!と一気に処分してしまうこともできますが、いらなくなったから、飽きたからと何でも捨てればいいと考えるのは、今のこの時代にイケてない。本当に大切にできるものに出会えるまでは、この醤油皿も使い続けようと思っています。
だからこそ、最初の、購入する時に、ずっと使い続けたあとのこと=死ぬ時に自分の傍らにそのものがあったら幸せかどうかを考えることは、決して大げさではないと思うんです。

一時的な興奮や間に合わせで買うのではなく、それを買うのは人生で最後かもしれない、と覚悟をもって選ぶことは、本当に大切にできるものを購入することにつながります。
残りの人生、中途半端なものや人と付き合っている時間はもったいない!
大切にできるものと、それを大切に使い続けてきた思い出とに囲まれながら、人生の終わりを迎えることができたら幸せですね。

IDEA 02:もし私が億万長者でも、それホントに買う?

次に想像をふくらませて考えるのは、お金に限界がないことを想定した時、どんなふうにものを選ぶのか。

例えば、本当に裕福な億万長者なら、シーズンセールやタイムセールといった時期を気にせず、欲しい時に欲しいものを買うことができるでしょう。
また、今だけしか売っていない限定品だったとしても、自身の持つ経済力と人脈を使えば、後からでも入手できると思います。
さらに、十分すぎるほどの財産とそれを築いた誇りがあれば、他人からどう見られるかにとらわれたり、他者にマウンティングするような卑屈な競争心に駆り立てられて買い物することもないでしょう。

安いから買いたいのか?
今しか売っていないから欲しいのか?
誰かに自慢したいから手に入れたいのか?
それとも、
そのものに惚れ込み、心から手に入れたいと望んでいるのか?

一瞬でも欲しいと思った途端に、恋は盲目。心は冷静な判断をおおい隠して、買ってもいい理由ばかりを次から次へと思いつかせます。

今すぐ買わなきゃチャンスを逃しちゃう!
最近頑張っているから、自分へのご褒美が必要!!
限定品を持っていたら友達にもうらやましがられるはず!
お買い得なんだから、これは賢いお買い物だわ!!

いつでも欲しい時に何でも入手できる億万長者の世界 を想像すると、このアセリから解放されます。少し距離をとって、欲しいものを客観視することもできます。

それでも本当に欲しいの?

衝動的に欲しいと思ったものを手にしたら、億万長者の私でも買うかな?と、そんな世界をぜひ一度想像してみて下さい。

IDEA 03:2段階ウィッシュリストで欲しいものを見極める

3つ目のアイデアは、実際に手を動かすリストづくり。
欲しいものをただリスト化するだけなら多くの方が提唱していると思いますが、私はそこに2つの視点を加えて管理しています。
必要度」と「入手しやすさ」という2つのバロメーターです。

毎年、スケジュール帳の一番後ろのページを、その年のウィッシュリストとして使っています。
まずは欲しいものを一行ずつ書いていきます。日用品や消耗品といった細々した必要物資は書きこまず、インテリアや洋服、家電など、ある程度の大物を書き込んでいきます。

私の今年のウィッシュリストには、壊れて買い替え予定の扇風機やリビングのラグ、カシミヤストールや太陽光パネルが書いてあります。それに加えて、昨年以前から持ち越しのフロアライトや傘、そしていつの日か小さなものを手にしたいと夢見ている「岡本太郎の彫刻」も書いてあります(過去にアートオークションのマレットジャパンに、手の届く金額で出品されていたのを見て以来の夢です)。

次にそれぞれのリストの右に「必要度」と「入手しやすさ」を◎〇△で書き込んでいきます。(ここでは × は使いません)
「必要度」は今の生活にどの程度なくてはならないか、「入手しやすさ」は物理的な入手ルートや値段的に簡単かどうか。
例えば扇風機は壊れてもう使えないので、今年の夏に向けて「必要度」は ◎、でもまだメーカーや値段を検討していないので「入手しやすさ」は △ といった感じ。

必要度入手しやすさ
 2階扇風機
 リビングラグ
× カシミヤストール × ×
 フロアライト
 太陽光パネル
 岡本太郎の彫刻
<2021 ウィッシュリスト>

こんなふうにリスト化して、◎ や 〇 の多いアイテムから検討していきます。
リストに書いた後にやっぱり必要なくなったら、×を付けて消していきます。ちなみにカシミヤストールは自分でリメイクしてお気に入りができたので、今回消すことにしました。

リストに書くという1アクションがあるだけで、まずは一旦買いたい熱を冷ますことができます。書いているうちに、その場でやっぱりそれほど欲しいわけじゃないな、と目が覚めることもあります。
更に2アクション目の「必要度」や「入手しやすさ」を考え始めると、自分の中での優先順位をとても冷静に判断することができます。実際私も、2021年リストに書いてみたものの、やっぱりコレは必要ないなと消したものが2つあります。

頭の中だけで考えていると、「これがあれば時短になる」とか「生活が豊かになるはず」とか、次から次へと買ってもいい理由ばかりが思い浮かんできてしまいます。
買いたい感情が前面に出てきすぎて、冷静な判断を後ろに追いやってしまうんでしょうか。
なので1アクションはさんでクールダウン、2アクションはさんで冷静な分析ができれば、自分にとって本当に欲しいもの、大切にできるものを見極めることができると思います。

ちなみにこのリスト、年始に新しい手帳にする時に次の年へと引き継いでいきます。
書き移す時に再度欲しいか考えられますし、何年も探し続けているものにも気付きます。
昨年はステイホームで緑茶を飲むことが増えたため、5年越しの急須と湯飲みを入手しました。長年探して「欲しい」の思いを募らせただけあって、棚を開けて並んだ湯飲みを見ているだけでも幸せを感じることのできる、大切なものになっています。

Sゝゝの細い湯飲みは、お茶の香りを引き立ててくれます

本当に大切にできるものを見つけるにつけ、暮らしはバージョンアップしていきます。自分の生活から無駄なものがそぎ落とされ、大切なものと過ごす時間の1分1分が充実してきます。